あなたは僕にだけ視えるの
カシカリを知っているだろうか
貸し借り?
歌詞仮り?
下肢狩?
→怖い。臓器売買はよく聞くが、下肢を 狩る事はあるのか、あるのだろう。
松岡圭祐 「瑕疵借り」
母に勧められて読んだ1冊。
・瑕疵借り
…賃借人が死んだり、事件が起きた物件に、あえて住む人
どんな人だ。今、会いたい人No.1
実在しない、藤崎という瑕疵借りに想いを馳せる。
短編集4作
1話 「土曜日のアパート」
ほどなく年が明ける。ただし成人式にはでられそうもない。
気に病むほどのことではない。
吉田琴美はみずからの心を説き伏せ、執着を捨てようとしてきた
・吉田琴美、家計が苦しい。
執着を捨てた目は、あらゆる福祉の当事者の持ち物の気がする。
人間は、執着が無ければ生きられない
行くつく先は、死だ。
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琴美の働くコンビニへ、1人の男性。
邪神を感じさせない、素朴さ。
穏やかを纏った、40代くらいの男。
「クリスマスケーキ、ノルマまであと何個?」
「七個です」
「じゃ七つもらおう」
1年。夢を打ち明けるほどの関係。
売って買われるだけの関係。
ある日、彼は来なくなった。
店長との会話。
「この送り先、人材派遣会社で、原発作業員の求人をだしてる。」
「第一原発の作業員なら、こんなところまで来て、放射線の心配はないんですかってきいてやったよ」
心に慄然とするものを感じる。
「放射線量、測ったんですか」
「測ったよ」
店長は悪びれたようすもなく応じた。
先生!福祉の点滴ください!
ついでに開いた傷口に泥を塗った人がいます!現行犯逮捕してください!
世の中にはどれだけ、涙の目薬を隠してる人がいるのだろう。
社会的な立場で、判断され、いつしか傷さえも感じなくなった人が。
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時は巡り、彼女と瑕疵借り、出会う。
彼は死んでいた。
入院中、労災は降りていなかった。
申請すらしていなかった。何故って?
会社が制度を隠蔽、白血病への道は色濃く鮮やかに浮かび上がった。
瑕疵借りが暴いた。
ここにも、福祉の悪芽が1つ。
摘み取れない、害虫。はびこる。
瑕疵借りは世間的に悪芽?
それとも透明人間?
生きてるぞ、生きてるぞ、生きてるって
そして彼は死者からの言葉をあなたに
男からの手紙
「私は傷ついてなどいません。コンビニの店長さんを恨んだりもしていません。私の働いている場所が場所だけに、いろいろ気になるのは当然です。」
ああ、切り取られた世界。
ルーティンな日常で、慣れてしまったのでしょうか。
私が彼女なら、なんと言葉をかけたでしょうか。
ただ祈ることしか、
「福祉は心だ」
私はどうも福祉を一元的に捉えていたのかもしれない。
福祉は身の回りに水分子レベルで、浮遊している。
このブログに、「福祉」という言葉を使うのが、世界観の破壊の気がした。
願掛け論の福祉、何かいい置き換え言葉を探そう。